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所沢市のメンタルクリニック。うつ病を専門に診ているクリニック。航空公園クリニックです。

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不安障害HAnxiety Disorder

強迫性障害(OCD)

 強迫性障害とは、不快な不合理な考え(強迫観念)が頭に何度も浮かぶため、その不安を振り払う目的から同じ行動(強迫行為)をくり返してしまう病気です。汚れが気になり手をいつもより長く洗わずにはいられないとか、不安から戸締まりを数回確認するなどは、誰でもたまには経験する行動なのです。しかし、それが習慣的かつ非常にエスカレートして生活に支障をきたすほどの状態が強迫性障害です。そして、患者さんが自分の不快な考えについて「不合理だ」「こだわりすぎだ」と判断できるにも関わらず、こだわらずにいられないことが特徴です。
以前は、強迫神経症と呼ばれていたのですが、“神経症”という概念が世界的に使用されなくなり、強迫性障害と呼ばれるようになりました。強迫性障害は英語でObsessive Compulsive Disorderというため、その頭文字をとってOCDと言われています。
強迫性障害(強迫神経症)は不安障害の一種です。ある一定のテーマの考えやイメージ(手が汚れていて汚れがおちていない、鍵をきちんと閉めていなかった)が繰り返し起こり、手洗いや確認などの行為を繰り返し行ってしまいます。このような手洗いや確認などの行為を行わないと強い不安が生じてしまうのを特徴としています。その考えや行為のために時間を浪費したり、そのような状況を回避することから社会的活動が妨げられたりする結果、現実の生活に支障が出たり強い苦痛が生じることになります。具体的には、「ありえない」とわかっていても、繰り返し頭の中に考えが生じ振り払うことができない考え(たとえば「ばい菌が広がって体中が汚染されてしまうのではないか」」が割り込んできます。この考えは強迫観念と呼ばれています。また、自分では必要ないと分かっていて止めようと努力しても、意に反して繰り返し行ってしまう行動(たとえば必要以上に戸締りや火の元を確認してしまう)がみられることがあり、これは強迫行為・儀式行為と呼ばれています。さらに、症状がひどくなると、家族や周囲の人間に一緒に確認を求めたりと、周囲も巻き込むようになり影響がでます。
一般人口の1〜3%に見られ、男女比は等しいといわれています。しかし自身の症状について認識はありますがパニック障害に比して医療機関への受診率は低く、人に症状を話すのは恥ずかしいとの思いのために隠し続けている方もいて発症してから受診するまでのに長時間を要するといのもこの障害の特徴です。
(診断基準)DSM−Wによる
A .強迫観念または強迫行為のどちらか
(1)、(2)、(3)、および(4)によって定義される強迫観念:
 (1)反復的、持続的な思考、衝動、または心像であり、それは障害の時期の一期間には、侵入的で不適切なものとして体験されており、強い不安や苦痛を引き起こす.
 (2)その思考、衝動または心像は、単に現実生活の問題についての過剰な心配ではない.
 (3)その人は、この思考、衝動、または心像を無視したり抑制したり、または何かほかの思考または行為によって中和しようと試みる.
 (4)その人は、その強迫的な思考、衝動、または心像が(思考吹入の場合のように外部から強制されたものではなく)自分自身の心の産物であると認識している.
(1)および(2)によって定義される強迫行為:
 (1)反復行動(例:手を洗う、順番に並べる、確認する)または厳密に適用しなくてはならない規則に従って、それを行うよう駆り立てられていると感じている.
 (2)その行動や心の中の行為は、苦痛を予防したり、緩和したり、または何か恐ろしい出来事や心の中の行為はそれによって中和したり予防したりしようとしていることとは現実的関連をもっていないし、または明らかに過剰である.
B.この障害の経過のある時点で、その人は、その強迫観念または強迫行為が過剰である、または不合理であると認識したことがある.
注:これは子供には適用されない.
C.強迫観念または強迫行為は、強い苦痛を生じ、時間を浪費させ(1日1時間以上かかる)、またはその人の正常な毎日の生活習慣、職業(または学業)機能、または日常の社会的活動、他者との人間関係を著明に障害している.
(原因)古い脳である線条体の機能障害が有力であるが、「前頭皮質‐線条体‐視床‐前頭皮質」回路が注目され、神経化学的には、セロトニン、さらにはドーパミン神経系の機能
(治療)
現在では、有効な治療方法として薬物療法と行動療法が用いられています。薬物ではセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)による治療が中心です。これだけで効果が不十分な場合は抗精神病薬(非定型)を併用することもあります。
行動療法の手法では、代表的なものとして、曝露反応妨害法があり、これは、薬剤の投与などを十分に行ったうえで、強迫観念が浮かんでも強迫行為をせずに不安が治まっていくことを体験していくものです。これを繰り返すことで、心の器が広がり、強迫観念の出現が減ったり強迫行為を実行しなくても不安が生ずることがなくなってくることがあります。

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