当院では、来院した方の訴えを丁寧に聴き、病気の診断、治療方針、さらには問題点などを整理して提示し、治療の経過においても病状の良くなり方(あるいは遷延しているのか?悪化しているのか?)を検討し情報を共有しながら進めていきます。しかし、いろいろな意見はありますが、治療の主体は薬物療法になります。さらに相補的なものとして、心理療法(個人療法、集団療法など)、デイケアを併用しています。
このための方針として
1、 薬物療法で気分を安定させ、心のエネルギーを蓄えて日常生活が規則正しく送れるようにする。
2、 自分の病気や適応力について理解を深める。薬などについて学習する。
3、 自分の病状の回復具合を確認するとともに次の目標を共有し、病気の寛解を目指す。4、 通常の社会生活を送れるようにするため、復職支援プログラムに導入することもあります。再発・再燃を防ぐために心理療法の併用の検討をします。
上記の治療目標のため、シェ−マ−的に、病気に対して、「身体(脳)」と「心理」、「社会」という観点から各専門のスタッフがチームとなって治療を行っています。
身体(脳)的なアプローチとしては、医師が医学的な診断の下に不眠や食欲低下、意欲の低下などのに対して治療を行っています。さらに、医学的な治療に加え心理的アプローチや社会的アプローチを組み合わせながら治療を行っていくことが重要であると思っています。心理的アプローチには、臨床心理士と協同して物事を悪く捉えてしまう考え方や不適応な行動、心の悩みなどを解決していくことをします。具体的には、個別面接や認知行動療法などがあります。社会的アプローチには、精神保健福祉士と一緒に生活相談や生活リズムの見直し、デイケア、自立支援医療や障害年金の申請、自助グループとの連携などを行っています。また、臨床心理士や精神保健福祉士によるグループ療法や家族教室も行っています。これらのアプローチは別々に行われるのではなく、患者様のニーズに合わせて治療を組み立てていきます。さまざまな観点から患者様をサポートできるというのが、チーム治療のメリットだと思っています。